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群青色のカケラ

オリジナル創作とか日常とかひとりごととか。

brokenシルビア編続き。

毎週木曜はbrokenを更新する日にしようと思ったけど、まだ目標達成ならず。
あああ書いてあげたいのに。

この下の草稿、グロ描写注意。














「君の罪状は把握しているよ。麻薬の密造、密売、その取引ルートをめぐっての争いから、放火、殺人、違法な密輸入にも関与してるだろう。君は裁かれる立場だ。君に、死に方を選ぶ権利はないんだよ、リズ=シルビア」

「だが、自分がどんな死に方をするかは知っておいておくがいいだろう。人間の終焉とは、どんなものであれ美しいものだ。見苦しく生きてもがくよりも、終幕という美学が良い。見せてあげよう、私の研究対象にして、私がそろえたコレクションだ」


引きずられるようにして連れてこられた、白い部屋の、更に奥の扉を開いた中。


暗かった。
薄緑の、間接照明が部屋に並んでいるものを照らしていた。


細長い、柱のようなガラスの筒のように見えた。


その中に全て、並んで浮かんでいるものは。



人間の脳、眼球。
あるいはどこか体の一部。


脳のホルマリン漬けが、ずらりと数えきれないほどに並んでいた。


部屋の中に見えるものを、暗さに慣れた自分の目が映して認識した瞬間。
鳩尾を貫かれるような激しい吐き気が込み上げた。吐き気というより、それはもう、体が凍りつくような強烈な痛みだった。


人間としての、今自分が見ているものへの、激しい嫌悪感と拒絶感。


私は胃から喉へと貫かれる激痛で、がたりと膝を折ってその場に屈み込んだ。
引きずられている手錠の鎖のせいで、床に倒れることはできなかった。



嘔吐は起こらなかった。
その方がきっと楽だろうに、声も言葉も凍りついて、何も口から出てこなかった。


喘ぐような息を繰り返すのがやっとな私を見て、白衣を着た細目の男は、満足そうに薄気味悪い笑みを浮かべて私を見下ろしている。



なんなの、これは。




「歴史には詳しいかね?少なからず人類の歴史に影響を与えた民族がいる。何か大きな発明をした者、国を統率した者、偉大な著書を残した者、語り継がれる悲劇の物語の主人公のモデルとなった者や、画家や音楽家もいる。これらはごく少数だが、彼らの血筋をたどっていくと、古くはまとまっていて散らばっていった民族にたどり着くのだ。
リズ、君もそうだ。
僕はこの特殊な才能を持つ人間達の秘密がどこにあるのかを知りたいのだよ!」


「それが・・・この、不気味な脳のホルマリン漬けのコレクションですって?」



目に焼きついた光景のために、意識が遠くなりかけた。
だけど、覚めることのない、本物の悪夢。



「あんた・・・相当悪趣味ね」
「それはどうもありがとう。さて、賢い君のことだ。そろそろ僕が、君をここへ連れてきた理由は理解してもらえたかな」


私は、チッと舌打ちをこぼして、頭を軽く振って目を背けた。
吐きそう。こんなやつのにやけ笑いなんかみたくない。



「人間の可能性とは、何だろうね。リズ=シルビア。君はどう思う?」
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