群青色のカケラ

オリジナル創作とか日常とかひとりごととか。

刻牙は莉卯の背に矢を向けた。
時が止まったかのような静寂。
キリキリと弓の弦が張る音だけがやけに大きく響いていた。

動かなかった。莉卯は振り向かなかった。
自分の背に向けられた弓には気づいたはずだ。

その後ろで刻牙が、どんな顔をして矢をつがえているのか。


「ごめんな、莉卯……」

手から離れた矢は、一瞬で、莉卯の背から胸へ貫通して、肉体を穿つ音とともに激しく血飛沫を散らした。









元々暗殺者だった刻月

しかし、百鬼の魔物を従える姫君によって打ち据えられる。

「私に従いなさい。そうすれば、貴方が、この世で最も望むものを与えてあげましょう」

この世で最も望むもの?
俺は、何も望んでいない。
ただ、流されるままに生きてきただけだ。
生きることに意味があるわけじゃない。
死ぬのが怖いわけでもない。
ただ、敗者になりたくなかっただけだ。






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